風と戯れるサイクリングホノルルセンチュリーライド

朝6時15分。スポーツウエアに身を包んだ3629人がカピオラニ公園をスタートした。1981年に始まったホノルルセンチュリーライドは、ハワイ・バイシクルリーグが主催するツーリングイベントで、大会名称のセンチュリーとは最長距離の100マイルから由来したものだ。参加者は100分の1秒まで計測できるチップを足下に巻いているが、ツーリングだから、順位もなければ、公式記録も発表されない。そんなユルさがいかにも南国っぽくて、この大会の魅力の1つにもなっている。

今回も、みんなで話をしながら自転車で散歩しているかのように、のんびりした雰囲気で始まった。マラソンでは難所とされるダイヤモンドヘッドの坂も、ギヤのたくさんあるスポーツバイクなら、普段、運動していない人だって簡単に登れる。そもそもサイクリングが長距離を無理なく走れるのは、ギヤを有効に使えば効率的に走ることができるから。きつくなる前にギヤを軽くすればいい。

カハラ地区の豪邸を横目に下っていくと、コースはハイウエイへと進路をとる。ハワイカイを抜けると、センチュリーライドでもっとも厳しい心臓破りの坂が待っている。といっても、高低差はわずか45m。たいそうな呼ばれ方をしているが、隠し味程度の刺激だ。初参加の30代の女性は「もっと大変なのかと思ったけど、無事に走り切りました」という。友達一緒に参加した20代のOLのグループは「押して、歩いてしまった」が、それでいい。大切なのは無理をしないこと。そして、頂上を越えて右に曲がると、目の前に真っ青な海がドーンと現われる。25マイルの折り返し地点、サンディビーチだ。

ここまでくれば、あとは体力次第。引き返してもいいし、次のチェックポイントを目指すのもありだ。今回は午前中が涼しかったので、目標以上の距離を走り切った人も多かったようだ。距離はともかく、ゴールする人はみな笑顔。「すっかり自転車が好きになりました。少しずつ距離を伸ばして、いつかは大好きなハワイを100マイル走ってみたい」。そう言う人たちが、今回もたくさん増えた。今年の大会は9月28日に予定されている。

=菊地武洋  写真=和田八束

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