アラモアナショッピングセンターを出発したバスは、ローカルたちで賑わうダウンタウンを抜けて、パリハイウェイへと進路をとる。
ワイキキはビーチのイメージが強いが、周辺にコオラウ山脈の火山が多く、♯57のバスは坂を確かめるようにゆっくりと登りながら標高を稼いでいく。レインボーステイトの別名を持つハワイは、頻繁にスコールが降る。ワイキキが曇っていても、山を越えれば晴れていることが多い。この日も、坂の頂を過ぎると左手前方にコバルトブルーの海が拡がった。
THE BUSの旅は時間がゆるやかに流れる。スケジュールのつまったツアーから自分を開放して、身近になったJAL悟空のような手配チケットを利用すれば旅行ではなく“生活”だって簡単にできる。ローカルの人たちの憩いの場所“カピオラニ公園”で読書したり、フラダンスを習いに行くのもいい。THE BUSを使ったショートトリップも、そんな贅沢なスタイルがあってこそ。
今日の目的地、カイルアビーチはウインドサーファーにとっては聖地の1つ。また、ラニカイビーチはハワイ語で“天国の海”という意味で、旅行専門誌で5年連続全米ナンバー1ビーチになったこともあるという。
アラモアナショッピングセンターから40分ほど走ると、カイルアの街に到着する。ラニカイビーチまでバスで向かうなら、ショッピングセンターで下車し♯70に乗り換えだ。ただし、カイルアビーチからラニカイビーチまでは徒歩でも20分ほど。のんびりと歩いても苦になる距離じゃない。瀟洒な住宅を見て散歩するもよし、洋上に浮かぶモクルア島を見ながら砂浜を歩くのも楽しいだろう。
この2つの極上ビーチはテレビCFや写真集に使われることも多く、オアフ島でもメジャーな存在だ。それでも人の数は多くなく、日本人を見ることもほとんどない。白い砂浜、透き通る海、まさに天国の海がここにある。ウインドサーフィン、シーカヤックなどカイルアビーチパークはアクティビティも多く、シャワーなど施設も充実している。ラニカイビーチは施設こそなにもないが、その静けさがウリ。ワイキキの喧騒を忘れるにはうってつけのビーチだ。
THE BUSを使えば、ワイキキから往復でもたった4ドル。ロングステイならもちろん、ショートステイでも一度は訪れてみたい。
文=菊地武洋 写真=和田八束


